50歳代に多くみられ、肩関節に痛みと運動制限をもたらす疾患の総称です。
発症のプロセスはいまだ明らかではありませんが、関節を構成する骨・軟骨・靭帯・腱などが加齢などにより、肩関節周囲の組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。
日常生活の中で以下のような症状がでます。
∇安静時痛(じっとしているのに痛みを感じる)
・腕を動かしていない時でも肩や腕がズキズキ痛む
・寝返りをしたり、肩を下にしたりすると痛みで目が覚める

∇運動時痛(動かしたときの痛み)・拘縮(動かしにくさ)
・髪を結わえるのが難しい
・エプロンを結わえるのが難しい
・上着を着たり、脱いだりするのが大変
・高い所にあるものをとる際に腕をあげにくい、あがらない

病期は大きく分けて3段階に分けられます。
1 炎症期(痛みを強く感じる時期)
多くの場合、安静時痛・夜間痛を伴い明らかなきっかけなく急速に強い痛みが生じます。
期間としては約2~9か月。
2 拘縮期(肩の動きが悪くなる時期)
強い痛みが和らいだのち、肩の動きが悪くなる時期です。
動かした際に痛みを感じたり、日常生活の中で不自由を感じる事が多くあります。
期間としては約4~12か月。
3 回復期(症状が良くなってくる時期)
運動時の痛みや運動制限が徐々に改善する時期です。
期間としては約6~9か月。
肩関節周囲炎の症状は、疼痛が軽減せず持続したり、再発を繰り返すことがあります。
このような症状には普段の生活や姿勢の取り方が影響しています。
デスクワークやスマートフォン操作での猫背姿勢や前かがみでの作業など姿勢が悪い状態での生活を送っていることで、筋肉のバランスが崩れ、関節のねじれ、歪みがでてきてしまいます。それにより、関節への負担が増え炎症をもたらすのです。
特に猫背姿勢で生活することで首から背中にかけての柔軟性が乏しくなり、血液の循環や神経の滑走が悪くなってしまいます。
つまり、慢性的な疼痛や再発予防のためには正しい姿勢を脳へ再教育すること、姿勢を保持する筋力をつけることがとても重要になってきます。