例えば慢性的な肩こりや首こり。
今まで以上に強く揉んだり、病院や整骨院などに通う回数を増やしたりしても身体の状態が一向に変わらない。筋膜リリースやハイドロリリース、ボトックス注射など…メディアで効果的と取り上げられている方法を色々と試してみたけど根本的な状態が変わらない。
それどころか年々少しずつ状態が悪くなっている気はしませんか?
これには理由があります。
凝っている部分はあくまでも「結果」で原因となる部分は「凝っている箇所」にはないのです。肩こりや首こりの原因のほとんどは首や肩事体にはないのです。
例をあげてお話ししますね。
首こりや肩こりで辛いと感じる箇所は、首~肩にかけてついている筋肉であることが多いです。これらの筋肉が硬くなることで、筋内の血管が押しつぶされ血行不良になり、老廃物が溜まり発痛物質が神経を刺激し痛みが生じる。また、そこと関係する筋膜が異常を起こすことで症状がでます。
では、なぜ肩こり、首こりの原因となる筋肉がそのような状態になってしまうのか。
それは、凝っている筋肉が持続的に緊張した状態になるためです。
そのような状態を作る原因が、長時間のデスクワークやスマートフォンの操作などによって自然ととってしまっている歪んだ姿勢いわゆる“猫背姿勢”なのです。
猫背姿勢になっていると首や肩の後面の筋肉が引き伸ばされつつ、頭を支えることになります。この状態が継続する事で「凝り」が生じるのです。
つまり、辛いのは凝りを感じる筋の部分ですが、凝りを生じさせているのは筋事態ではなく猫背姿勢になり歪んだ身体を作ってしまっていることなのです。
そのため、歪んだ身体を正常な姿勢に戻すことが根本的な原因の改善に繋がります。
猫背姿勢が原因なら意識して伸ばせばいいのでは?と思いますがそれだけでは状態は変わりません。もちろん意識も必要ですが、猫背になってしまう事にも原因があります。伸ばしていられない原因です。
それは、背中が硬くて伸ばせないのか、伸ばす筋力がないのか、背中ではなく別の場所に問題があるのか…治療では原因の原因…さらにその原因…といったように深堀りしていき問題点を改善していきます。これが肩こりや首こりの根本的な原因を改善するということです。
また、自分を取り巻く環境も大きく関係してきます。天候や気圧、騒音などの環境的要因、睡眠不足や病気などの身体的要因、不安や心配、緊張、悩みなどの心理的要因、仕事や家庭の問題などの社会的要因です。つまり、日々生活を送っている日常の中で様々な変化がストレスの原因になるのです。自律神経とストレスは密接な関係にあります。自律神経は全身の器官やホルモン分泌を調整する神経系であり交感神経と副交感神経が働いています。交感神経は脈拍や血圧を高め心身を興奮状態にし、副交感神経は脈拍や血圧を下げ心身をリラックスモードに切り替える働きをします。身体は交感神経と副交感神経を入れ替えながらバランスを保っています。このバランスを崩す代表的な原因がストレスです。ストレスによってバランスが崩れることにより、本来であれば副交感神経が働かないといけない所で交感神経が優位になってしまうため、常に緊張状態になってしまい心身ともに十分な休息をとることができなくなってしまうのです。

◆一般的な肩こりの対応の代表的な例は?
整形外科の場合
・痛み止めの薬を処方される
・湿布、塗り薬を処方される
・局所注射や神経ブロック注射をされる

整骨院の場合
・痛みがある部分を 10~15 分程度マッサージする
・電気治療器を使う
・矯正用のトムソンベッドを使用して施術するなど。

どの施術方法も間違いではありません。たしかに痛みやしびれを改善することはできます。
しかしそれはその場凌ぎの一時的な効果でしかなく根本的な改善には繋がっていないのです。
痛みが強く仕事、家事、育児をするのがとても辛い。薬を飲まないと何もできないくらい痛みが酷い時など、うまく薬と付き合っていく必要があるときもあります。しかし、強い薬を飲み続けたり、強い注射を打ち続けることは内臓への負担が大きくなります。つまりあなたの身体自身に負担をかけ続けることになるのです。
痛みから解放されるためには、その場凌ぎの一時的な効果ではなく痛みを引き起こしている根本的な原因がどこにあるのかを知り、そこにアプローチしながら生活習慣を見直していくことが確実なのです。
慢性的な肩こりがあるのは、歪んだ姿勢で生活を送っていること、その状態で生活を送ることで筋肉の疲労・筋力低下、血行不良、神経の走行不良が起きているからです。
「ひどい凝り、重苦しさ、痛み、頭痛」を毎日感じたり、何度も繰り返したり、薬を服用し続けるのは辛いですし、そのまま放置することで四十肩や五十肩、ほかの部位の痛みの原因になってしまう可能性が大きいです。
長年放置することで首や腕、手指などに神経症状を引き起こしてしまうリスクもあります。
そのため、肩こりを根本的に改善することはとても大切になります。